満たされる瞬間

満たされる瞬間が子供の頃の方が多かった気がする。

夜の12時に30分だけ夜更かしすると決めて、本を読んだ。

その記憶がとても眩しい。

あの読みたいという欲と、限られた30分という時間が愛おしい。

今だったら「1日30分は読書しよう」という目標になってしまうだろう。義務だ。

あの頃は、その本そのものに満たされていた。

今だったら今日も30分読書ができた、という行為に満足する気がする。

それは純粋な行為でないという気がする。私が求めている本当の行為はこれではないのだ、と。

今はそういうことが多すぎる。全てそうだとも言える。

これをこうしたら自分にとって良いから、こうする。

結果を考えて行為を行う。

昔より物事に対する純粋さが失われて、興味が浅くなってしまった。

だから感情を強く揺さぶるものにであった時は、惜しまずそのものに時間を使うべきだ。しかしそれが難しい。

自意識が邪魔をする。

この本が読みたいが、ミーハーかな。それよりもこっちを読んだ方が深い人間になれそうな気がする。

そう考えている時点で浅い。

最近流行りのこの曲好きだな。でも聴いていると知られたくないから非公開プレイリストにしよう。

自分のブランディングに必死だ。

そうして積み重ねた虚構の自分は薄い。何も見えない。何も積み重なっていない。

自分の思う自分として生きるのは難しいなと思いつつ、そういう自意識がなければそもそもこう思うこともないのになと、ぐるぐるぐるぐる。。。。